花沢健吾『ボーイズ・オン・ザ・ラン』#91「帰京」(週刊ビッグコミックスピリッツ49号)

………地雷爆発ッッッッ!!!!
…何と言うか、結局は見事にに嵌ってしまったワケですが。2巻での、ちはるとの時の失敗はヘンに時間を置いてしまい、その間にトンビに油揚げ盗られてしまったのだから、ここは即効で帰京したら平身低頭して謝り倒しながら状況説明を…ってトコだと思うのだが、こんな事になったのがバレたらジムへも出入り禁止になったりガキ吉良にもボコられるような気が。戻っても地獄!!。いっその事、田西は長野に留まってメンヘラちはるの面倒を見て暮らしたら? 俺だったら嫌だがな!(笑)。さて、この後どうなることやら。あ、次号は休載だそうです。

北崎拓『さくらんぼシンドローム  クピドの悪戯2』5巻(ヤングサンデーコミックス)

北崎拓『さくらんぼシンドローム』5

「真実の私は ただ 渋江君と 一緒にいたいだけだったのに」

 れな過去篇。映画でも有名な広島県某市が舞台…って、もう言ってしまったようなモノですが(笑) 具体的に背景の参考資料にしたのかどうかは判りませんが、れなの通う高校の俯瞰とか坂になっている細い路地とか、かの地の映画で見たような見ないような(笑) 成就しえない切ない初恋の物語と言ってみると、このれな過去篇自体がかの監督の映画と主題的にもダブってるのかも知れません。日常に、SF(“サイエンスフィクション”ではなくて“すこしふしぎ”の方)が加味されてちょっとおかしな物語が綴られる、と言うのもクピドの悪戯シリーズあの監督の映画との共通点かも。元々セクシャルな描写の多いこの作品ですが、れな過去篇では高校生れなの自慰らしき描写が2箇所(51P,92〜94P)ほどあるのが気になります。子供の肉体になり、そういう性的な事とは切り離されているれなも、元は生身の生々しい肉体を持つ“オンナ”であったのだ、という事でしょうか?? まあ、こんなトコを気になって注視しているのはスケベなオッサンの俺だけかも知れませんが(苦笑; それはさておき、上京し、流行のオンナに変身したれなが、渋江君の部屋の前で全く気づかれずにすれ違い、我が身を抱き締め人知れずに涙を流す場面は、ここまでの展開の中で1、2を争う名場面だと思います(前作『クピドの悪戯 虹玉7巻の「イイ…キミダ―――」〜「泣がない゛でよっ、む゛っぢゃん!」にはまだまだ敵いませんが)。過去篇の後は、阿川君営業死闘篇、上にも下にも引っ張られて侭ならずに苦戦する様は社会で苦労しているオッサン達には涙無くしては読めませんよ!(←そうか?)。予想通り、やはり料理が出来なかった麻生さん(前作桐生麻美が矢鱈と手料理を作る描写があったのと見事に対称的ですな。その変わり今回はれなが料理上手となっているけれど)や、麻生さんれなビミョ〜に仲良くなっていったり、後藤さんイイオンナっぷり(でも絶対報われない)もあり、なかなか美味しい描写テンコ盛りの5巻目でした。
 あ、ちゃんと麻生さんと阿川君のエッチ場面もあるよ!!(笑)

「School Days」 ドラマCD Vol.1『ヒ・ミ・ツの花園』(出演:河原木志穂,岡嶋妙,平川大輔,他)

School Days ドラマCDVol.1

 先週買った2枚目のドラマCDが面白かったので、今更ですが1枚目のも買って聴いてみました。刹那の家に遊びに…いやいや、勉強会に行って…と言う内容で、桂言葉は途中で来て帰ってしまうと訊いていたので言葉派の俺は購入を躊躇していたのですが、いやあ、それでも十分面白いや!♪。誠の影に第3の女がいると思い込んだ言葉西園寺世界ヤン化して狂気(?)の高笑いをしたり、「ノコギリ」や「包丁」発言したりして、濃ゆいスクールデイズファンや言葉ファンにも楽しめる内容になってるのではないでしょうか??。なるほど、キャストコメントでの発言が2枚目の内容に影響を与えているなあ(笑)。このノリで是非3枚目も!!

『世界大戦争』 監督:松林宗恵/特技監督:円谷英二

『世界大戦争』1961@東宝

 ラピュタ阿佐ヶ谷の「映画監督 松林宗恵」特集最終日。いつもならば半ズボンに裸足にサンダルで出かけるような所だが、せめてものと思い、ジャケットを羽織ったりして多少は身奇麗な格好をして家を出る。今日は上映前に松林宗恵監督星由里子さんによるトークショーがあるからだ、ただの一観客でしかないこちらだけれど、狭いラピュタの劇場で、自分の数メートル前に往年の名監督大女優が居並ぶのだ、いつもの薄汚い、だらしない格好では気が引けると言うか、申し訳ない気持ちになる(笑)。トークショーには、なんと遅れて宝田明さんも駆けつけてくれて、思い出話やこの映画への思いを語ってくれた!。この3人のお姿を拝見してお話を間近で聴けただけでも入場料分の元は採れたどころか、お礼を差し上げたいぐらいのもうお腹いっぱい状態に。文化の日での上映と言う事もあってか、宝田さんが「映画の文化の灯を消さないようにして欲しい」と繰り返し言われていたのが印象的。松林監督からは、「当時、日本の各映画会社の代表と一緒に、各国大使の方々にこの映画を見てもらった」との思い出話が語られたり。星さんは「以前もこの映画が上映される時にゲストで呼ばれたけれど、その時は都合がつかずに行かれないのを代わりに宝田さんが出演してくれた、今回もこうやって仕事が終わってから駆けつけてくれたのが嬉しい」と当時と変わらぬ東宝出身俳優同士の厚い友情を話されていた。友情もそうだけれど、この映画への思い入れがなければわざわざこうして阿佐ヶ谷まで来ようと思わないよなあ、ファンとしてはそういった言葉以上の思いが感じられたのが何よりも嬉しい。上映の際には松林監督宝田さん星さんも客席で一緒に鑑賞することに。映画は、フランキー堺さん演じる父と星由里子さんの娘、その家庭に下宿していて星さんと恋仲になる宝田さんの船員らが織り成すホームドラマと、東西冷戦下の緊迫した世界情勢がカットバックで描かれ、それが情勢の中で次第に緊迫感を増していき、遂には最終核戦争による未曾有のカタストロフへと至る展開が何度見ても素晴らしい。TV Bros.山田広野氏のコラム「活弁世界傑作劇場」(TV Bros.10/24⇒11/9号掲載)でも指摘されていたけれど、東京への水爆攻撃の危険が叫ばれ人々がパニックになりながら非難して、人気の無くなった下町の家でフランキーさんが夕日に向かって叫ぶ場面は最高に感動的で、しかもこの家の住所が三丁目、舞台になっている年代は昭和36年これこそ本当のALWAYS 三丁目の夕日』だよ!!。折りしも今日は、『ALWAYS 続・三丁目の夕日』の公開初日。デジタルで作られたノスタルジー映画も悪いとは言わないけれど、出来れば、あの当時に作られた、“本物のあの頃・本物の寂寥感”を描いた映画にも、もっと注目して再発見していって欲しいなあ。
 蛇足気味に言えば、今日は宝田明さんも主演された『ゴジラ』(1954)の公開からちょうど53年、ゴジラ53回目の誕生日でもありました。

河合克敏『とめはねっ! 鈴里高校書道部』#28「天地苞乎陰陽」(週刊ヤングサンデー48号)

望月勅使河原の急接近が気になって仕方がないユカリ。気にするような事なんてあるワケないのになあ、と客観的視点の読者である自分は思うけれど、そこが気になってしまうのが当事者の性か。三浦センセに反論したりして意外と反骨ぶりを見せる勅使河原、なんか戦隊モノのクライマックスで裏切る敵幹部みたいな雰囲気に。勅使河原が幹部ならモチロン敵の大首領役はブラック日野ちゃんで(笑)。さて、来週は鈴里高・鵠沼学園合同で息抜きに海へ!。けれど、加茂ちゃん以外の人もちゃんと水着は用意してあるんでしょうか、そこが心配(笑)。海水浴場近くの合宿先だからその辺りは抜かりないのかな。意外と女子高生の集団が夏の海に行くのに加茂ちゃん以外は水着を着ないってハズしをやるかも(笑)。

北崎拓『さくらんぼシンドローム クピドの悪戯2』#56「覚えていてくれたんだ。」(週刊ヤングサンデー48号)

「ねえ、むっちゃん… もう少し時間、いい? もう一度、二人でお話がしたかったの。」 
↑の井上敏樹氏と『なんてっ探偵アイドル』でコンビを組んでいた北崎拓センセ。いや別にそれはどうでもいいのですが(笑)、振り返られる阿川むっちゃんのフラれた過去。なにか、2巻で描かれた時より由梨ビッチ度が下がったような?、2巻の回想の時は、むっちゃんの前では清純ぶっていて、裏ではヤリまくっていた最低オンナ的な印象があったのだけれど、今回で描かれている回想を見るともうちょっとだけマシで、むっちゃんと付き合ってる時にアルバイト先の大学生と浮気してヤっちゃってそちらの方をより好きになってなってしまった模様。いや、やっぱり最低ですね!阿川むっちゃんにしてみれば結局は寝取られてフラれた事に変わりありませんから!!。昔の思い出の腕時計を彼女が覚えてくれた事にドキッ!とする気持ちは分からない事もないけれど、相手はあんなヒドい仕打ちをされたオンナだからね!?同棲中の彼女持ちでメンドくさい事情のコブ付きの自分の立場を忘れないように!(笑)。しかし、浮気相手に心を移してしまった娘が、純な心が残っていたなら「最後に1回だけさせてあげるからさ。別れて。」なんて言うでしょうか??やっぱり由梨の本性は相当のビッチヤリマン女??。『ボーイズ・オン・ザ・ラン』のちはる再登場に続いて、過去女地雷オンナ化しているって展開でしょうか?。そんな阿川君の裏では、れなの方にも恋のライバル(?)が登場。先日の合コンで渋江君と知り合ったらしい酒井さん後藤さん過去れなに続く3人目の眼鏡っ娘ヒロインだ!!(嬉!;

『仮面ライダー THE NEXT』 監督:田崎竜太

うわっダメダメだこりゃ!!。それでもまだ「ライダーアクションとかガンバっていてカッコよかったし」とか思っていたのだけれど、最後の蛇足的なエピローグのアレで全て帳消し!!。何ですかアレは?映画製作の資金提供をしてくれた(かどうかは知りませんが)パチンコ屋さんへの気配りですか?それとも逆にあんな場面を入れろと強請されたとか??。ダメと言えばシナリオもダメで、いちいち欠点を挙げつらっていくのは不毛なのでやりませんが、あの穴だらけの脚本に製作陣も監督も疑問に思ったりツッコミ入れたりしなかったのでしょうか?。脚本家が悪い以前にアレを更に推敲せずに採用した側も悪いよ!。ちなみに脚本は、ワザとハズしているのかヘタなだけなのか何とも言えない脚本を書き続けて20数年のベテラン特撮脚本家・井上敏樹チェーンソーリザードショッカーライダーVS1号ライダー!多勢に無勢で絶体絶命の1号ライダーの大ピンチに颯爽と駆けつける2号ライダー!!とか、燃えるシチュエーションもあったのに。ショッカーライダー雑魚戦闘員レベルの扱いだったしなあ。『仮面ライダー』初期にあった“怪奇”を履き違えているのもイタい。こんなイマドキのJホラーゴッコとかつてのそれらは明らかに違う筈で、Jホラーを作りたかったのならもう1つ別に企画書を作成して別の映画をあらたに製作して下さい。俺自身は怪奇もホラーもスプラッタも別に嫌いではないけれど(メインストリーム的に大好きでもないが)、『仮面ライダー』を見に来たお客さんに見せるべき“怖さ”と言うのは今回のそれとは違うモノだろう。まあ、もっと言えば、仮に『仮面ライダー』の映画にJホラー要素が混入していても個人的には別に構わないのだけれど、問題なのは、この映画のJホラー要素ちはるによる超常現象的怪死事件ショッカ−の作戦行動と殆ど無関係で起きているという事だ。確かにちはるがあのような存在になったのにはショッカーナノマシン実験の所為ではあるのだが、以降の怪死事件に関しては全く関与しておらず、鑑賞後の印象では「ショッカーの陰謀よりも恐ろしいのはオンナの怨念」になってしまっていて、『仮面ライダー』としてこれは拙過ぎでしょう。こんな本末転倒にならずにホラー描写をを融合させるには「ちはるによる事件もショッカーの手による事件だった」(=ショッカーは恐ろしい、こんな組織は倒さないと駄目だ!と観客の感情も誘導できる)とすればいいのに、それをやらない、やれてないのは↑で言いかけたように全て脚本上の不備でありダメさの1つである、と思うのだ。幼年期に昭和仮面ライダー』シリーズを見て育ち、映画ファンとなった頃に・ポール・バーホーベンの『ロボコップ』やティム・バートンの『バットマン』を見た俺らの世代には、「仮面ライダー他、石ノ森原作などの等身大ヒーローをオトナの鑑賞にも堪えうる一般映画として製作する」ことは念願だったのだけれど、それが思う形ではいまだに果たされずに、今回もこのような結果になって物凄く残念でならない。