『仮面ライダー THE NEXT』 監督:田崎竜太

うわっダメダメだこりゃ!!。それでもまだ「ライダーアクションとかガンバっていてカッコよかったし」とか思っていたのだけれど、最後の蛇足的なエピローグのアレで全て帳消し!!。何ですかアレは?映画製作の資金提供をしてくれた(かどうかは知りませんが)パチンコ屋さんへの気配りですか?それとも逆にあんな場面を入れろと強請されたとか??。ダメと言えばシナリオもダメで、いちいち欠点を挙げつらっていくのは不毛なのでやりませんが、あの穴だらけの脚本に製作陣も監督も疑問に思ったりツッコミ入れたりしなかったのでしょうか?。脚本家が悪い以前にアレを更に推敲せずに採用した側も悪いよ!。ちなみに脚本は、ワザとハズしているのかヘタなだけなのか何とも言えない脚本を書き続けて20数年のベテラン特撮脚本家・井上敏樹チェーンソーリザードショッカーライダーVS1号ライダー!多勢に無勢で絶体絶命の1号ライダーの大ピンチに颯爽と駆けつける2号ライダー!!とか、燃えるシチュエーションもあったのに。ショッカーライダー雑魚戦闘員レベルの扱いだったしなあ。『仮面ライダー』初期にあった“怪奇”を履き違えているのもイタい。こんなイマドキのJホラーゴッコとかつてのそれらは明らかに違う筈で、Jホラーを作りたかったのならもう1つ別に企画書を作成して別の映画をあらたに製作して下さい。俺自身は怪奇もホラーもスプラッタも別に嫌いではないけれど(メインストリーム的に大好きでもないが)、『仮面ライダー』を見に来たお客さんに見せるべき“怖さ”と言うのは今回のそれとは違うモノだろう。まあ、もっと言えば、仮に『仮面ライダー』の映画にJホラー要素が混入していても個人的には別に構わないのだけれど、問題なのは、この映画のJホラー要素ちはるによる超常現象的怪死事件ショッカ−の作戦行動と殆ど無関係で起きているという事だ。確かにちはるがあのような存在になったのにはショッカーナノマシン実験の所為ではあるのだが、以降の怪死事件に関しては全く関与しておらず、鑑賞後の印象では「ショッカーの陰謀よりも恐ろしいのはオンナの怨念」になってしまっていて、『仮面ライダー』としてこれは拙過ぎでしょう。こんな本末転倒にならずにホラー描写をを融合させるには「ちはるによる事件もショッカーの手による事件だった」(=ショッカーは恐ろしい、こんな組織は倒さないと駄目だ!と観客の感情も誘導できる)とすればいいのに、それをやらない、やれてないのは↑で言いかけたように全て脚本上の不備でありダメさの1つである、と思うのだ。幼年期に昭和仮面ライダー』シリーズを見て育ち、映画ファンとなった頃に・ポール・バーホーベンの『ロボコップ』やティム・バートンの『バットマン』を見た俺らの世代には、「仮面ライダー他、石ノ森原作などの等身大ヒーローをオトナの鑑賞にも堪えうる一般映画として製作する」ことは念願だったのだけれど、それが思う形ではいまだに果たされずに、今回もこのような結果になって物凄く残念でならない。