いわしげ孝『単身花日』#32「雷鳴の夜」(ビッグコミック12.25号)
「お母さん、私を産んだことを後悔しとるの? 私、産まれん方が良かったの?」
「何を今更…」
『誰もいない………私の味方は、誰一人としていないんじゃ。』
順調に仕事が上手くいっている桜木舜と対照的に、議員の息子の佐々木に手を上げたことで追い詰められ、教職を辞めてしまう桐野花。実際、辞表を出してしまう程の状況であったかどうかには疑問ではあるけれど、そこまでしてしまうのは花のトラウマ「誰からも必要とされていない」という思いからか。回想にある、父親からの性的虐待(という処までは描かれていないけれど、常に父からオンナと意識をした視線で見られていた)と、母親からの愛情の希薄さ。両親からの歪んだ愛情が、現在の花のミョ〜に不思議ちゃんチックなコミュニケーション不全な感覚が形成されていった模様。確かに、親からの愛情が歪んでいたら人格形成に問題は出てくるかも知れないけれど、現在の花の問題は、少なくとも過去のトラウマだけではない事は明白ではあるし。旦那の武田氏との事や、片山の事とかね。個人的には、社会の中で働いたり生活したりしていても、「自分は誰からも必要とされていないのではないか?」という感覚が俺の中にも多少なりともあるので、花の持つ気分は全く分からないでもない、けれど、なあ。自分の子供や新しい家族を妄想する時に出てくるのは、旦那との事ではなくて、「桜木……花」というのは……。まあ、舜は初恋にして運命の相手らしいけれどさ。いや、でも、旦那は本当にどうなってるんだ?? 調子こいてる舜に、清水が告げた秘密は「片山と桐野が兄妹」らしいとの情報。まあ、只ならぬ関係とは思ってはいたけれど、兄妹でしたか。詳細は次回へ。