道家大輔(原作/中野独人)『電車男 がんばれ毒男!』#14「春の夜の夢」(ヤングチャンピオンNO.18)

「そーだ!! オレ達は今までとんでもない勘違いをしていたんだ……!!?」
「電車がエルメスに恋してるんじゃない!!」
エルメスが電車に恋してるんだ……!!!」
……って、今ごろ気づいたんかい!。でも、そうなんだよね。そもそも『電車男』って、電車男エルメスの恋愛ストーリーとして見ると、あまりにも拙過ぎると言うか、要は、エルメスにしてみれば、最初に助けられた時点で電車にベタ惚れになっているのだから。多少なりとも電車が自分だけの力でエルメスにアプローチ出来るヤツならば、何1つ問題なく「電車で助けられた事がキッカケで交際する事になったカップ」が成立するだけで、お話にも何にもなりはしない。二人の間には恋路を邪魔する”第3の男”などの物語上必要な障害が存在しないのだから。そこで障害として設定されたのが、主人公が(恋愛経験のない)オタクである、と言う事なのだろう。加えて言えば、身近に相談できる友人も居ないも(苦笑)。主人公を助ける協力者が、2ちゃんねる名無しさんと設定され、この2点でようやくこれまでの恋愛物との差異が生まれて、差別化されたワケだ。閑話休題エルメスが電車にベタ惚れなのは、電車の書き込みからだけで充分察する事が可能だと思うけれど、まあ名無しさん達は、みんな毒板住人で、そういう事にニブい人ばかりだったのでしょう(笑)。けれど、女性名無しさん(この娘って数話前に出たアイドルさんだっけ?あの時既にエルメスの気持ちに気づいてなかった?)まで今ごろ「やっぱりそーだわ!!」と言ってるのが腑に落ちません、ここで気づいたのって何か別のことなのかな?。「そっと手を引く場面(思いっきり引っ張って引き摺り下ろしてるぞ!)の見開きが、大きくマルチアングル・スプリットスクリーンで描かれていて、なかなかイイ感じ。次回はエルメスの家まで同伴!。送っただけだけどな!(笑)。