『椿三十郎』(2007年版) 監督:森田芳光

蟹蒲を食って「この蟹、美味しい」とか言うのはやめよう!。所詮は蟹蒲模造品代用品ですから!白身魚の身を練って、それっぽい味付けと香り付けをした偽物ですから! 蟹蒲を誉める時には、ちゃんと「蟹蒲にしては美味しい」と言わないと!(笑)。
それはともかく、俺自身はそんな大層な黒澤信者というワケではないのだけれど、やはり学生時代には名画座に通って出来るだけ見てきたものですよ。何と言っても昭和生まれのオッサン、「手塚治虫は漫画の神様、黒澤明は日本映画の天皇」と教え込まれてきた世代ですから(笑)、映画脳の神棚の上には常に黒澤作品が祭ってあったワケですよ、普段は忘れているけれど(苦笑;。それで、やはりオリジナルの『椿三十郎』は大好きなのですよ。もう今回のリメイク版には悪口を言う気満々で(笑)、相当意地悪な気持ちでスクリーンに向かったのだけれど、そんな奴でも大層面白く楽しめましたよ。織田裕二三十郎もガンバっていたし。オリジナル自体もそうだけれど今回も軽妙洒脱で、ユーモアたっぷりの活劇映画になっておりますよ。『踊る大捜査線』ファンの方々も是非どうぞ。大島ミチル作曲のサウンドトラックも重厚でカッコいいぞ!(メインテーマ曲がちょい手塚昌明ゴジラのテーマ曲に似ていたりする)。とにかく見終わったあと、気分よく映画館を出られる映画なので、正月に鑑賞するのをお奨めします。まあ、でもコレ蟹蒲だけれどな!(笑)。ホントのを食べたい人は、最寄の名画座の上映情報をチェックするか、DVDを購入して見て下さい。いまなら廉価版も出ていてお得ですから!