アニメスタイルイベント『細田守「デジモン」絵コンテ・コメンタリー』(新宿LOFT/PLUS ONE)

 ……あれ、年に数回は2019”N4ŒŽƒXƒPƒWƒ [ƒ‹新宿LOFT/PLUS ONEのイベントに参加していたのだけれど、今回は去年7月の『細田守の人生相談』以来の10ヶ月ぶり。なにか、行ったはいいけど開演ギリギリに着いて満席で追い返されたのがあったような気もするけれど、まあ、それは無かったという事で(笑)。
 「作画打ち合わせの時のように、細田守監督自身が絵コンテの詳細を解説していく」と言う、ちょっと特殊なトークライブスタイル、絵コンテ本(3150円税込)のテキスト必須という、かなりマニアックで敷居の高いイベントかと思っていたけれど、若い客層、女性客も含めての満席状態。デジモン人気、更に、去年の『時かけ』公開以降の細田守監督の注目のほどが伺えますねえ。
 トーク中はずっと、鉛筆で絵コンテ本にメモを取りながら聴いておりましたよ。おおっ!学生時代の講義みたいだ!とか思ったり(笑)。でも、学生のころ、特別講義で映画監督の話が聴けても(当時はそれが当たり前とか思って)ノート1つ取ってなかったような気がするので、よほど今回の方がマジメな態度だったかも(苦笑)。
 細かい面白い話、興味深いテクニックもいろいろあったけれど、やはり白眉は、「脚本段階までは、理詰めで、現実世界から事件の決着をつける事になっていたのを、シナリオを読んだ東映アニメ泊社長(当時)が、『クライマックスで太一をデジタルワールドへ入れろ』と指定された」というエピソード。ひええ、その鶴の一声がなければクライマックスの奇跡は起きなかったことに……。正直言うと、私自身はあの奇跡は初見ではちょいと違和感を覚えたクチなのだけれど、やはり映画としてはアレがあった方がグっと魅力的でイイ感じにハジけたと思いますし。こういったアドバイスが出るのは流石は「シナリオを読める重役」(カントク談)だなあ。個人的経験で言えば、一番上のエラい方の鶴の一声と言うのは、大抵は碌な事を言わなかったり、創作上のメリットがあまり無いように感じられたりしたのだけれど、決してそんな事だけではないと。これからはエラい方のお話も真摯になって聞こうと肝に銘じましたよ、ええ(笑)。