椎名高志『絶対可憐チルドレン』#09「誘惑者」(週刊少年サンデー42号)

急転直下新展開。ライバル、と言うよりも、今作最大の悪役登場か。
山火事の鎮火に出動するチルドレン。空飛ぶ3人にマント姿(ホントはコートなんだろうけれど)がよく映える。延焼を防ぐ為に風下の木々を切り倒すだが、その破壊力はまるで爆弾を使っているかのパワー。「物を壊すって快感じゃん?(中略)ビルや家でやったらもっと気持ちいいかもな」と不適な笑みでつぶやく。いかんよ!破壊の女王の片鱗が現れ始めているよ!!B.A.B.E.L帰還時、皆本にまとわりつく3人の姿が微笑ましい。局長の年齢を見てあらためて思ったが、局長はやはり役割的に孫を溺愛する馬鹿祖父なポジションなんだなあ。伊号の予知に思い悩みながら射撃訓練をする皆本の前に突如あらわれた謎の少年・兵部京介。第一印象はエヴァカヲル君だけれど、彼は実は年齢80歳にもなるのだが、遺伝子をコントロールして老化を防いでいる特殊な力をも併せ持った複合能力者。兵部の言う通り、チルドレンが、薫達が未来で災厄を齎すのならば、”それ”を起こす前に危険な芽を摘んでしまえばいい。そういう考え方もある。けれど、まだ何も犯していない者を裁けるのか?ただの人でしかない自分にそれが出来るのか?と言うのは大問題。デビッド・クローネンバーグ監督の映画『デッドゾーン』でもそんな葛藤を描いている。チルドレンに対して、「可愛い子たちだからね。将来僕の花嫁にしたい―――…って言ったらどうする?」などとヌカす兵部。単なるロリコンか?それともチルドレンを手中に収めようとする悪意からか?。謎と波乱を含んで以下次号!!