ひぐちアサ『おおきく振りかぶって』「もう1点!・3」(月刊アフタヌーン10月号)

とりあえず三橋は本当にのぼせていただけのようで一安心。他所の試合の途中経過がアナウンスされているけれど、そこは名門・春日部市が大差で勝っている様子。これと対比すると、西浦が昨年優勝校の桐青相手にここまで善戦しているのが如何にスゴい事なのかが判る。だがしかし。次第に本領を発揮していく桐青に次第に追い詰められてきている気が。青木にはバスターで右中間を割られ、満塁からのスクイズは打ち上げさせはしたが、結局は2点目のランナーが返り、同点になってしまう。唯一の望みは、三橋の”まっすぐ”がまだ見破られていない事と、三橋自身が元気な事。それと休憩と同点のピンチを超えて、三橋が多少冷静になったことか。阿部の用意ができるまでマウンドに上がるのを待てる程度の平静さは戻っているので。群馬大会では、三星学園・1年が登板しているとの報告が。1年しかいない西浦と違ってこれはかなりの大抜擢。これはやはり三星と再戦しないとね!。まあ何年後に描かれる事になるかワカランけれど(笑)。
ただ、テンポアップを図ってか、6回表と7回表の西浦の攻撃の描写が省略されてしまったのが残念。これまでの展開を8ヶ月かけて丹念に描いてきたので、ここで急に駆け足になった印象になってしまい、それはちょっと惜しい。読み手としての緊張感も少し失せてしまった様に感じるなあ。