島本和彦『新吼えろペン』(サンデーGX8月号)

素晴らしい!。何がって今回の新吼えペン初号試写の描写が、だ。いや、俺のような初号試写の達人(何それ?)が見ても、今回の描写は本当に素晴らしい。試写会場も名前こそ出てないが、ちゃんとIMAGI●Aだし(笑)。劇中でも言われているが、初号試写は、各スタッフが自分達の仕事の箇所を確認する為のもので、異様な緊張感でビンビンしているのだ。中にはお気楽気分で来ている人も居るのかも知れないが、俺自身が大抵は不安と緊張感に包まれているのでそんな人は上映前に目に入らない。正に一色触発ムードがあり、何か事が起こってその場のみんなが口々に自分の立場からの意見感想要望疑問愚痴を言い出すのは全く持ってリアル、としか言いようがない。まあ、流石に映写中に原作者が「違う!!」とか言い出す場に立ち会った事は、幸運にもいまだないけれど(笑)。…けれどね、あるんだよ、上映終了直後にカントクが「ああっ!?」と大声でうめいて頭を抱えたり、やはり上映終了直後にカントクがミス発見を大声で叫んで大騒ぎになったり(しかもその様子がメイキングDVDに収録されていてその場でオタオタしている俺の姿も記録されていたりする、情けない……)という事が。大抵は映写中はみんなオトナでプロだから問題が発覚しても即騒いだりしないで、その後に行われる反省会の場で発言する事になるのだが。その時の雰囲気が今回のてんやわんやの騒ぎとちょい近い、心に含んで話さない事まで騒いでいるのが今回のあの場面という感じ。反省会の場にまで持ち越さなくとも、試写会場外のロビーでは、いくつかの輪になってそれぞれの立場であ〜だこ〜だと言い合ってる時にも近い。実際に島本和彦逆境ナイン』初号試写に立ち会って、その体験から膨らませ妄想し誇張した結果できたのが今回の内容だろうけれど、スゴい、見るべき所をちゃんと見ているよ、ああいう場の本質を的確に掴んで見事に過剰化して表現している。正直、新吼えペンの一連の映画化話はイマイチ乗れないなあ、と思いながら読んでいたけれど、ラストエピソードで俺の個人的ツボにスゴくハマリました!。
あと、蛇足。テーマ曲ミュージシャンの方、上の名前が高村さんだったが、するとフルネームは、高村おか子さん、なのかな?。今回の話で1番気に入ったキャラでした。実際に映画『逆境ナインを見ても、ラストの落ちにウンザリした気分にさせられたが、エンディングで「夢をあきらめないで」を聴いていたら何やら目頭が熱くなってきたし……。うん!、主題歌の力はスゴい!岡村さん、「夢をあきらめないで」は、この映画にピッタリハマリ過ぎて凄い事になってますよ!。