ゲキXシネ『朧の森に棲む鬼』 演出:いのうえひでのり/映像監督:江戸洋史

それは、いつともしれぬ昔。そして、どこともしれぬ島国。
 正直言って、実際に見るまでは「ゲキXシネってどうよ?TVでやってる舞台中継とどう違うの?」と思っていたんですが、いやけっこう驚いた、これがなかなかちゃんと映画になっているではないですか。まあ、何が映画か?というのはけっこう難しい問題で、その定義って何さ?と語りだすと長くなるので止めときますが、劇団☆新感線の舞台を映画に切り取った映像側スタッフのお仕事もここでちゃんと褒めておきたい。それはさておき、こういうのは勿論、元のお芝居自体が面白くなければ話にならないワケで、そこはもう問答無用の圧倒的パワーのある新感線、所謂Inouekabukiですから万全の保障つき。一大ピカレスク大河ロマン(?)に酔いしれましたよ!。口八丁と2枚舌と悪運を活かして、落ち武者狩りの名も無き若造だった主人公ライ(lie=嘘/偽りからのネーミング)が、ライを「アニキ」と慕う弟分のキンタと共に怒涛の遍歴を経て王の座にまで上り詰め、そして、転落していく物語。この兄貴と舎弟の話、観たタイミングがタイミングなだけに、モロに連想されるのはもちろんアレ!!(笑)。ちゅうか、正確な時期とか詳細はワカランのですが、この『朧の森に棲む鬼』と、『天元突破グレンラガン』の中島かずきさんの脚本執筆作業ってかなり近い頃に書かれてないですか??(『朧…』の初演が2007年正月興行で『グレンラガン』のシリーズ構成・脚本作業は2005年から2006年の秋頃まで行われている)、もしかしたらそれこそモロ被り??、何というか、かなり露骨に表裏一体の関係に思えるのですが。たまたまなのか、中島さん的には狙ってポジ・ネガにした意図があるのか。まあ、ヘンな勘ぐりや難しい事を考えなくても、「あ、何処かで聞いたような台詞が!♪」と、嬉しい発見なんかも沢山あるので『グレンラガン』ファンの方々にも充分お薦めできます♪。まあ、ぼちぼち公開劇場も少ないですけれど、でもDVDにもなるしね。あ、『グレンラガン』と言えばグレン団活動報告こんな画像が(笑)。常々「『グレンラガン』と島本和彦ってけっこうテイストが近いよね」と思っていた俺にはかなりツボ(笑)。嗚呼、来月下旬発売のDVDvol.5が楽しみだ♪。