『吟遊詩人ラギ』(雪の女王#16)

うわ、カッコいい!!♪。訪れた炭鉱の町で語られる吟遊詩人ラギの過去。それは,かつて率いていた部隊30名の兵士を全滅に追い遣ってしまったと言う、暗く、重いモノだった。炭坑夫の親方・ヴィロム(声:玄田哲章)とナギの対決場面はまるで『あしたのジョー2』か『スペースコブラ』のよう。童話系のエピソードの時は、正直言って出崎演出と内容が噛み合わないように見える時もあったが、今回のような大人の男がメインの回だと見事なくらいビシバシとハマる。出崎統の絵コンテに対して、作画と撮影も力量を発揮したのではないだろうか。作画は見ていて杉野昭夫本人が作画監督をしていたのかと思うぐらいだったし、撮影も暗部を強調したメリハリの利いた画面設計をして雰囲気を締めていた。2クール目に突入してスタッフもある程度作品に慣れて、それぞれがいい仕事が発揮できる調度いいタイミングでもあったのだろう、今シリーズ中屈指の傑作になったと思う。
ラギの部隊が雪山で全滅した原因は、やはり雪の女王の氷の馬車が原因?。今回はまだ具体的にラギの旅の目的は語られなかったが、雪の女王が因縁の相手であるならばゲルダラギは目的地も遭うべき相手も同じという事になるね。ただし、ゲルダの目的がカイを取り戻して村に帰る事だが、ラギの目的は雪の女王と会って刺し違えてでも、自分の部下たちの復讐を遂げるつもりなのかも知れない。